かなり古い雑誌や書籍を入手しようとすると、なかなか実店舗で見つけることは難しく、ネットを利用することが多いのではないかと思います。
海外の雑誌や書籍を探している場合は、なおさらです。
ただ、ネットでビンテージやアンティークの印刷物を買う場合、難しいのが状態のチェックです。
実物を手に取ることができないので、掲載された写真と文章を頼りに見極めるほかありません。
ネットで購入した古書が実際に届いてみたら、思っていたより汚れや傷みがあってガッカリ、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
わたしはメルカリで古書を販売しているし、国内ショップだけでなく海外サイトからも古書を購入しているので、売る側と買う側の両方を経験しています。
古書の状態チェックの難しさと、注目するとよいチェック個所について、経験をもとに書いてみたいと思います。
状態を伝えるのは難しいこと
これまで何度も古書をネットで購入し、たくさん失敗もしてきました。
それでも、状態を故意に隠したり偽ったりして販売する人に遭遇したことは、今までに一度もありません。
そもそも、写真と文章だけで古書の状態を伝えるのは、とても難しいのです。
実際に自分で古書を販売してみて、その難しさがよく分かりました。
写真だとキレイに見える
魅力的な写真を撮るのも難しいものですが、汚さやボロさを伝える写真を撮るのも意外に難しいです。
スマホでなくミラーレス一眼で撮ってみたり、照明や撮影角度を工夫してみたりしても、大したことのない汚れや傷みに見えてしまうのです。
画像のコントラストを思い切り強くして、少し暗めに調整すると、多少の効果はあります。
それでも、実物の汚れや傷みの迫力は伝えきれません。
言葉で伝えようにも限界がある
写真で伝わりきらないなら言葉で説明しようと思うわけですが、それも簡単ではないです。
何十年も経過している海外古書なんて、傷みも汚れも山ほどあります。
すべて書いていると、きりがありません。
文字数の制限もあるし、あまり長々と書いては読む側の負担になるのではという心配もあるので、とても悩ましいです。
わたしがメルカリで出品するときには、特に気にされそうな傷や汚れのことだけ記載しています。
ただ、何を気にするかは人によっても異なるので、どれほどの意味があるのだろうかと思うこともあります。
だから、思い切って「状態は写真でご判断ください」とだけ書いてしまう販売者さんたちの気持ちも分かります。
「背」の写真に注目
このようにビンテージやアンティークの印刷物の状態は、写真でも言葉でも伝わりにくいものです。
それでも、状態が分かりやすく出るのが「背」の部分ではないかと思っています。
わたしが古書を買うとき、もしも販売者がこの部分の写真を掲載していたら、注意して見るようにしています。
自分でメルカリに出品するときも、背の写真はほぼ必ず載せます。
使用歴や保存状態のバロメーター
背の部分は、傷み具合がよく分かる場所です。
摩擦や衝撃を受けて真っ先に傷む場所ですし、あまり凝った印刷がされていないので紙の劣化具合が見やすいからだと思います。
そして経験上、背の傷み具合は、汚れも含めた全体的な状態の良しあしと比例することが多いです。
ぞんざいに扱われていたら、汚れるし傷む。
丁寧に扱われるか、読まずにしまいっぱなしだったら、汚れないし傷まない。
そういうことではないかと思います。もちろん例外はあります。
複数冊セットの状態もチェックできる
複数冊セットの場合、冊数が多くなるほど詳細な写真は減るし、状態に関する説明も省略しがちになります。
そういう場合でも、全冊を重ねて背を撮った写真があると助かります。
その写真を重点的にチェックするのがおすすめです。
お読みいただき、ありがとうございました!
ビンテージ好きとしては、ほどよく劣化していて、汚れのない古書が最高です!
でも、そんな状態をネット上で見極めるのは至難のわざ。
購入するときは状態をあまり気にせず、大らかな気持ちで楽しんでいます。