コレクションのこと

コレクター向けの解説本

愛好者の多いジャンルだと、コレクター向けの解説本が出版されていることがあります。

私も「シートミュージック」というジャンルの解説本を持っています。
これがなかなか面白いので紹介します。

シートミュージックの解説本

シートミュージックとは

sheet musicは直訳すると「楽譜」。
しかしビンテージコレクションの話でsheet musicというと、19世紀終わり頃から20世紀半ばにかけて出版されていた薄い楽譜を意味します。
ニューヨークのブロードウェイに近い一角がその中心地で、多くの音楽出版社がひしめいていたそうです。

現代の楽譜で「ピース」というのがありますね。「ピアノピース」とか。
曲集ではなく、好きな1曲だけを選んで買える楽譜です。
あれに近いと思います。

ただしシートミュージックは、表紙がめちゃくちゃに格好良いのです!
出版社が競い合って趣向をこらした結果なのでしょうね。
多くは、曲のテーマに沿ったイラストがカラーで描かれていました。
人気になったイラストレーターもいたようです。

音楽的な興味よりも、表紙目当てでシートミュージックを集めている人が多いのではないでしょうか。
eBayの商品説明や、コレクターが集まる掲示板でも、楽譜内容にはほとんど触れられず、表紙のことばかり書かれています。

私も、最初こそ音楽的な興味で入手しましたが、その後は表紙目当てで集めています。

シートミュージック解説本の内容

私が持っているシートミュージック解説本は、『Schiffer Book for Collectors』というシリーズの中で出版されたものです。

その名の通り、コレクター向けの解説本シリーズです。
アメリカのSchiffer Publishing, Ltd.という出版社が発行しています。

このシリーズには、シートミュージックに関する本が5冊あります。全部手に入れました。
いずれも著者はMarion Shortさんという方で、16,000冊以上のシートミュージックを持っているコレクターです。

『Schiffer Book for Collectors』シリーズのシートミュージック解説本

1冊目を少しだけご紹介すると…

タイトルは「The Gold in Your Piano Bench」。
「piano bench(中にものを収納できるタイプのピアノ椅子)の中のお宝」という、しびれるネーミングです!

目次をざっと訳すと…

  • 第1章:金ぴか時代
    Wikipediaによると、19世紀後半の一時期を意味するそうです)
  • 第2章:黒人たちの楽曲
  • 第3章:ラグタイム
  • 第4章:ブルース

…となっており、各章ではそのテーマに沿ったシートミュージックが紹介されています。

各ページの構成はこんな感じ。

著作権を考慮してモザイクをかけていますが、雰囲気は伝わるでしょうか?
シートミュージックの表紙が数枚レイアウトされ、時代背景や楽曲紹介などの説明が添えられています。

そして本の最後には索引があり、掲載されているシートミュージックの一覧になっているのですが、これがすごい。
それぞれの市場価格が具体的に「○ドル」と記載されています。

シートミュージック解説本の入手方法

マイナーな洋書なので、日本国内で在庫を見つけるのは難しいと思います。

私はAmazon.co.jpのマーケットプレイスで購入しました。
販売元はアメリカの古書店です。

高価だったので、1~2冊ずつ買って揃えました。
…が、今は私が買った当時よりもさらに少し値上がりしている気がします。
20年ほど前の出版ですが、いまだにニーズはあるようです。

コレクター向け解説本の良いところ

シートミュージックに限らずですが、こういった解説本には良い点がいくつもあります。

知識を得て、違う見方ができるようになる

解説本では、コレクション品の写真とともに、それが制作された背景や、当時の社会情勢などが説明されていたりします。
また、どんなところがコレクターたちに愛されているか?といったことも書かれていることがあります。

そんな知識を得た上で自分のコレクションを眺めると、また違った印象を受けます。
いろいろな想像も膨らむようになり、楽しいです。

そのコレクションジャンルの全体像を知ることができる

一般コレクターは、自分の好みに合ったものや、入手しやすいものだけを集中的に集めていることが多いのではないでしょうか。
たとえば私のコレクションは、1920年代の安めの楽譜に偏っています。
費用も収納場所も限られているので、なんでもかんでも集められないですからね…。

でも、こういう本を書くスーパーコレクターは、まんべんなく収集しているようです。
その網羅性の高いコレクションを解説本で披露してくれています。

希少で人気のシートミュージックは、まず私のところへは舞い込みません。
そういうものについても知ることができるのは、ありがたいです。
解説本のおかげで、シートミュージックというものの全体像を見ることができました。

自分のコレクション品の価値が分かる

私が持っているシートミュージック解説本には、市場価値の一覧表が載っています。
そこまで載っていない本でも、特に価値の高いものについて「これはレアである」などと書いてあることが多いと思います。

解説本のおかげで、私のコレクションの中にもわずかながら、高価なレア品があると分かりました。
自分のコレクション品の価値が分かるのは、けっこう楽しいです。

とはいえ、そもそもシートミュージックが普及していない日本では、アメリカでの評価どおりに売れるわけではないのですが。

コレクション熱が収まる…こともある

解説本に載っているコレクション品は、スーパーコレクターの私物だけあって、状態の良いものが多いです。
それより良い状態のものを手に入れる自信など、一般コレクターの私にはありません。
実物を買わないでこの本を見ればいいや…と、思ってしまいました。

でもこれは、人によるのでしょう。
逆に、「解説本で見たあアレが絶対に欲しい!」と燃え上がる方もいらっしゃるはず!

さまざまなコレクター向け解説本

世の中には本当にいろいろな物を集める人がいるものです。

『Schiffer Book for Collectors』シリーズには、定番コレクションから変わり種まで、さまざまなコレクター向け解説書があります。
いくつか拾ってみると…

  • ロイヤルコペンハーゲン
  • Rolex
  • マッチ箱
  • キューピー人形
  • ファイヤーキング
  • テレビゲーム
  • マクドナルドのハッピーセットのおもちゃ
  • 牛乳キャップ
  • 振り子時計
  • ピンボールマシン
  • スウェーデンの釣り竿リール
  • 連合国軍占領下の日本製品
  • シアーズカタログに掲載されたファッション

…などなど。

日本のAmazonで検索できますので、ご覧になってみてください。
しばらく時間をつぶせます。

何かを集めたくなったら、まずはこんな解説本を見てみるのも面白いかもしれません。


ふるよき

お読みいただき、ありがとうございました!

私は牛乳キャップコレクションの解説本に興味があります。
実物を集め始めると大変なことになるはずなので、本で眺めるのがちょうどよさそうです。

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