古い楽譜や雑誌を見ていると、MやXなどのアルファベット数文字で構成された謎の文字列を目にすることがあります。
この謎が解けたとき、目からウロコでした。
謎の文字列たち
ビンテージ楽譜にある謎の文字列
以下は1910〜1930年代の楽譜のフッター部分です。
どれもCopyrightのところに、Mで始まる謎の文字列があります。
何を意味していると思いますか?
雑誌にもある謎の文字列
以下は、1900年前後の雑誌の表紙です。
それぞれ、Vol.の後にXで始まる文字列があります。
謎の文字列の正体は?
楽譜では、Copyrightの後に謎の文字列がある。
雑誌では、Vol.の後に謎の文字列がある。
…ということから、お気付きかも知れません。
これらは数字です。
謎の文字列はローマ数字
楽譜のCopyrightに書かれたMで始まる文字列は、ローマ数字で書かれた年号でした。
画像にあるローマ数字は、上から順に…
- MCMVII = 1907年
- MCMXXXV = 1935年
- MCMXXII = 1922年
…となります。
楽譜のCopyrightの年号は、1920年代以前だとローマ数字が多い印象です。
雑誌のほうはというと、Vol.はVolumeの略で、「第○巻」という意味。
英語圏のビンテージ雑誌は「○○○○年○月号」という呼び方とは別に、「Volume ○, Number △」(第○巻 △号)という番号が振られていることが非常に多いのです。
ということで、雑誌の画像にある謎の文字列は、ローマ数字で書かれた巻数でした。
上から順に…
- Vol. XV, No. 59 = 第15巻 59号
- Vol. XLIV= 第44巻
…です。
ローマ数字の書き方
Wikipediaの「ローマ数字」に、普通の数字(アラビア数字)とローマ数字の対照表が載っていました。
ローマ数字 | アラビア数字 |
I | 1 |
V | 5 |
X | 10 |
L | 50 |
C | 100 |
D | 500 |
M | 1000 |
いくつかの年号をローマ数字にしてみました。
ローマ数字表記 | 西暦 | 和暦 |
MDCCCLXVIII | 1868年 | 明治元年 |
MCMXII | 1912年 | 大正元年 |
MCMXXVI | 1926年 | 昭和元年 |
MCMLXXXIX | 1989年 | 平成元年 |
MMXIX | 2019年 | 令和元年 |
MMXXII | 2022年 | 令和4年 |
ということで、記事タイトルの「MMXXII」は、2022年=令和4年でした!
お読みいただき、ありがとうございました!
謎の文字列たちの意味、ひょっとすると皆さまはご存じだったでしょうか?
または、写真を見てピンと来たでしょうか?
私は、コレクションを始めてだいぶ経ってから、これがローマ数字だと知りました。
それまでは、「MはMusicの略で、これは音楽出版関係の管理コードでは?」などと想像をたくましくしていました…
以前の私のように、ローマ数字のI、V、Xまでは時計の文字盤などで見たことがあっても、L、C、D、Mまで使うことを知らない人は少なくないのでは?
知っているとちょっと格好良い…かもしれません。