eBayでアメリカ雑誌を探していると、「ダイジェスト」という言葉がよく出てきます。
「なんとかDigest」という雑誌は複数あるし、雑誌の大きさの説明として「Digest size」というフレーズもときどき目にします。
そこで、アメリカ雑誌にまつわる「ダイジェスト」について調べてみました。
「digest」という言葉の意味
まずは辞書で意味を確認してみます。
消化する、かみしめる、会得する、熟考する、(…を)(圧縮して)整理する、摘要する
情報提供元(著作権者):Weblio
雑誌に関しては「(圧縮して)整理する」が該当しそう。
「なんとかDigest」という雑誌名は、「内容が厳選された中身の濃い雑誌です」ということでしょう。
「Digest」という雑誌サイズ
次に「Digest size」について調べてみます。
寸法は?
Wikipediaには、こんな記載がありました。
従来の「journal size」より小さく、標準的なペーパーバック本よりも大きなサイズ。
約14×21cm。13.65×21.27cmや、14×19cm(DVDケースくらい)のこともある。
情報元:Wikipedia
A5サイズ(14.8c×21.0cm)より少し細いですね。
アメリカ規格だとHalf Letterサイズ(14×21.6cm)が近いです。
Wikipediaの記載のとおり、寸法は厳密に規格化されてはいなかったようです。
手元にあるDigest sizeと思われる雑誌の寸法をいくつか測ってみたところ、だいたい14×21cmくらいなのですが、統一感はありません。
同じ年代でも違う雑誌だと寸法が微妙に違うし、同じ雑誌でも違う年代だと、やっぱり寸法が微妙に違います。
ちなみに、Wikipediaの説明に登場する「journal size」については、調べがつきませんでした。
そこで、私が持っている一番古いアメリカ雑誌『The Delineator』の寸法を測ってみたところ、約20×29cmでした。
これを「journal size」とするなら、「Digest size」はその約半分です。
文字サイズは?
雑誌サイズが小さいから、記事の文字サイズも小さいかというと、そんなことはなかったようです。
手元にあるダイジェストサイズのアメリカビンテージ雑誌を見る限り、文字サイズはいたって普通です。
話はそれますが…
日本では2010年代に、女性ファッション誌のミニサイズ版が続々と発刊されていましたね。
今も集英社の『LEE コンパクト版』は存続しているようです。
あれは通常版を全体的に縮小しているので、字も小さくなっていました。
「Digest size」という言葉は一般的?
「Digest size」は、それほど頻繁に使われる言葉ではないと思います。
eBayの雑誌の出品にサイズについての記載がある場合、具体的に「何インチ×何インチ」と書かれていることが多いです。
そもそも、eBayの雑誌の出品に、サイズが記載されていること自体が少数です。
アメリカ人の気質によるところも多少あるかもしれませんが、日本人もそうじゃないかと思います。
雑誌って重要なのはサイズじゃなく内容だし、それにこの雑誌の大まかなサイズはみんな知ってるよね?ということかなと。
とはいえ、たまに「Digest size」と書く人はいますし、知人のアメリカ人に「Digest size」と言ってみたら当たり前のように通じました。
アメリカ雑誌がお好きでしたら、知っていて損はない言葉だと思います。
「ダイジェスト」なアメリカ雑誌
「なんとかDigest」という名前のアメリカ雑誌は、よく目にします。
かといって、それらがすべてダイジェストサイズとは限りません。
また、「なんとかDigest」という名前ではないけれど、ダイジェストサイズの雑誌もあります。
「なんとかDigest」という名前でダイジェストサイズの雑誌
代表格は、1922年に創刊された『Reader's Digest』。
「Digest size」という表現の語源と言われています。
幅広い層を対象にした月刊誌で、分類としては一般誌になるのではないかと。
現在も存続している、とても発行部数の多い雑誌です。
『Reader's Digest』は各国で翻訳・編集した版が発行されています。
日本でも『リーダーズダイジェスト』が発行されていた時期があったそうです
長辺が「18cm」だったらしいので、本家の『Reader’s Digest』よりも小さそうです。
他にも「なんとかDigest」という雑誌は複数あります。
Wikipediaでは漫画雑誌の『Golden Comics Digest』、『Mystery Comics Digest』、『Walt Disney Comics Digest』が紹介されています。
私のコレクションだと、児童雑誌の『Children's Digest』があります。
この雑誌は後年になって大きなサイズに変更されたそうですが、1963年の号はまだダイジェストサイズです。
「なんとかDigest」じゃないけどダイジェストサイズの雑誌
このタイプが一番多いと思います。
Wikipediaでは、『TV Guide』というテレビガイド雑誌や、『Analog』をはじめとするSF雑誌などが紹介されています。
私が持っている雑誌では、婦人雑誌の『The Workbasket』、児童雑誌の『Humpty Dumpty』と『Pack-o-Fun』があります。
ちなみに『Pack-o-Fun』も後年になって大きなサイズに変わっています。
「なんとかDigest」なのにダイジェストサイズではない雑誌
まぎらわしいことに、そういう雑誌もあるそうです。
Wikipediaでは、『Writer's Digest』という文筆家向け雑誌が紹介されていました。
お読みいただき、ありがとうございました!
私は無類のダイジェストサイズ好きです。
小さいものはかわいいんですよ…